池本だんだん公園
2020年3月に開園しました
公共施設の空白地帯に
池袋本町地区では、東側に公園や学校などの大規模な公共施設があります。
一方、西側には少なく、木造住宅の密集度も高いため、公園の整備が望まれていました。
池本だんだん公園は、西側の公園空白地に位置しています。
整備前の様子
敷地は北側に段差があり、集合住宅が建っていました。大きな擁壁が道路に迫っていました。
住民参加の検討
公園計画検討会
豊島区では、周辺の方に集まっていただき、公園計画検討会を組織しました。第1回検討会は平成28年11月5日に開催されました。
敷地見学会
検討会では、敷地の見学を行い、広さや敷地内の段々の高さ、周辺の状況を把握しました。
ワークショップによる計画づくり
検討会では、ワークショップによって検討作業を行いました。
計画案の提案
住民懇談会
検討会では公園の基本的構想をまとめ、住民に説明を行いました。
検討会では防犯を考慮してトイレは設置しない方針を提案しました。それに対して、トイレを設置してほしいとの意見が出されました。その場で協議した結果、トイレは設置しない方針となりました。
設計内容
だんだんを活かした公園
公園の設計は検討会の提案をもとに行われました。
この公園の大きな特長である敷地の中の2mほどの段差を活かすため、大階段、すべり台、芝だんだん、バリアフリー花壇を一列に並べました。
敷地の西側、最も段差が大きいところには半地下の区の備蓄倉庫を設置しました。
敷地全体の見通しをよくして防犯に考慮しながら、だんだんの上は芝生ひろば、だんだんの下と商店街側は歩道状空地にしています。
災害時のためにマンホールトイレ、深井戸、かまどベンチを設置しました。
基本設計時の完成予想図
だんだんのある公園
大階段・芝だんだん・備蓄倉庫
だんだんの上下を結ぶ大階段。芝だんだんはベンチになります。
敷地の西側の建物には区の備蓄倉庫と町会の防災倉庫、公園倉庫が入ります。屋上は緑化されて公園になじむようにしています。
すべり台
だんだんを利用した大きなすべり台は、子どもたちに人気の遊具です。
バリアフリー花壇
車いすでも利用できる花壇です。すべり台に合わせた柔らかなデザインで、子どもたちにも人気です。
植え込みベンチ
これもすべり台に合わせたデザインの植え込みでベンチになっています。
商店街側のこの植え込みは園名板もかねています。
はらっぱ
だんだんの上部は芝生のはらっぱです。芝だんだんの上にはソメイヨシノのシンボルツリーが植えられました。
芝生の中に幼児用遊具や健康遊具が設置されています。
防災設備
だんだん公園にはさまざまな防災設備が設置されています。この公園は、区が運営する救援センターを補完する場所となり、住民が自主的に運営する補助的な救援センターとなります。
マンホールトイレ
災害時用のトイレ。下水管に直結されています。トイレブースはパネル式。簡易水洗トイレとなっており、これまでのマンホールトイレより快適に利用することができます。
深井戸
災害時の生活用水を確保することができる深さ100mの井戸です。
平常時は植木の水やりや子どもたちの水遊びに利用できます。
かまどベンチ
ベンチの下にかまどが収納されています。
防災資機材ベンチ
災害時に救助に使用する道具が収納されています。道具は東京土建が寄付してくれました。
ソーラー照明
21災害時にも明かりが灯る照明です。災害時にも目立つように商店街側に設置しています。
住民参加の公園育て
だんだん公園を育てる会
公園の完成と共に検討会の役割は終わりました。しかし検討会では、公園の維持管理も引き続き行うこととして、だんだん公園を育てる会に名称を変更し、活動を継続しています。
育てる会では、公園の開園を祝うために開園式を企画しました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により中止となってしまいました。
メダカの嫁入り
育てる会では開園式に向けてメダカのプレゼントを企画し、育てる会の会員の方が500匹のメダカを育てました。しかし、残念ながら開園式は中止に。メダカのもらい先がなくなってしまいました。
そこで、区内の池のある公園に「メダカの嫁入り」をさせることにしました。検討会が見学に行った南長崎のはらっぱ公園と、千早の小鳥がさえずる公園に引き取ってもらいました。
ボランティア清掃と花壇づくり
ボランティア清掃
だんだん公園を育てる会では、月2回のボランティア清掃を行っています。
毎月、第2・第4日曜日。午前10時〜11時(7月〜9月は9時30分〜10時30分)に行っています。どなたでも参加することができますので、お気軽にご参加ください。
花壇づくり
だんだん公園を育てる会では、季節ごとに花壇の花の植え替えを行っています。